ガバナーメッセージ

2020-2021年度ガバナー 伊藤 智仁

国際ロータリー第2520地区
2020-2021年度ガバナー 伊藤(Ito) 智仁(Norihito)

第2520地区2230名のロータリアンの皆様、7月より1年間ガバナーを務める花巻南ロータリークラブの伊藤智仁です。どうぞよろしくお願いします。

1月にサンディエゴでの国際協議会を終え、2月16日の地区チーム研修セミナーは開催できましたが、COVID-19の影響でその後の会合が全て中止になりました。新年度の活動の準備で最も大事な時期にも関わらず、皆様と直接会話を交えることも出来ず、スタートから苦労の連続です。しかし、たまたまこの時期に当たっただけで、私でなくとも誰かがこの状況に直面していたのです。勿論、私一人だけではなく世界500名を超えるガバナーがともに課せられた共通の試練です。ハンディと思わず、出来ることを精一杯駆使しながら対応する所存です。

既に、地区の「PETS」と「地区研修・協議会」はネット配信で対応しております。緊急に対応したビデオは私のみのステージとなりましたが、RI会長のテーマメッセージを踏まえた地区戦略とガバナーとしての思いを込めました。本来であれば地区組織を担うメンバーからも皆様に伝えたい事があったと思いますが、私なりに触れましたのでご覧いただきたいと存じます。また、COVID-19は、ITツールに不慣れな方でも利用できるきっかけと理解し共に行動しますのでよろしくお願いします。

1月のサンディエゴで行われた国際協議会では、本年度RI会長となるホルガー・クナーク氏より講義を受けて参りました。昨今、世界中のクラブが会員減少に直面しております。会員増強には長年取り組んでいますが、この現象は止まりません。一方で自分の存在意義を求めるようなボランティア活動は、日々世界中で行われています。ロータリーの取り組みは人を育てる支援なので、人助け中心のボランティアとは少々意味合いは異なります。社会に役立ちたい思いで行動する人が増えているのも事実です。そのような人達に声を掛け同じ志であるならば仲間になってもらおうということです。勿論、これまでも同様の考えがありました。しかしながら改めて上手くいかなかったことを振り返り、反省を込めて障壁を取り除く提言でした。因みに上手くいかなかった原因は、新しい人々へロータリーの活動を魅力的に語る術が身についていない、特定の仲間を寄せ付けない、抜け出せないなどで、国際ロータリー自身が改善に取り組んでいるところです。昨今続いているMy ROTRYの活用、女性会員の獲得、例会や職業分類の在り方の変更など、これまでのロータリーの進め方と比べて違和感を持つメンバーもいると思いますが、こうしたところを改善しない限り、様々な奉仕団体が雨後の筍のように誕生する時代では存在が埋もれてしまいます。

国際ロータリーが生まれ変わろうとしている事例のひとつとして、RLIの習得について述べます。肯定や否定では無く習得しようとする背景のことです。昨今のロータリーの会合は必ずRLI方式を取り入れて行われています。「多くの考えの中には、それぞれの場面で必ず最適な答えがあるはずです。地位の高さや声の大きさに惑わされてはいけません。しかも、限られた時間でスムーズに解決を図らなければなりません」。RLIは、これを可能とするツールです。この取り組みによってリーダーとしてのスキルを身に着けながら課題解決もするわけです。たぶん、国際ロータリーも直面していた悩みだったと思いますし、クラブにおいても同様の傾向にあるだろうと案じての取り組みであろうと思います。

更に、国際協議会ではローターアクトをはじめとした多くの活動事例の紹介がありました。地区ホームページに掲載されているRI会長メッセージをご覧ください。クナーク会長は、昨今問われるインパクトについて、「ロータリーの魅力を誇り高く語るには、まず自分達の活動を理解していなければ不可能であり、出来ていないのであれば出来るように努めよう。その活動の中身は自身のクラブであったほうが良い」としております。しかし、改めて仕切り直したのでは先の話になるので、「とりあえず事実として共通認識している『ゴール間近のポリオ根絶』を紹介の題材として語りましょう。そして、ポリオ根絶もあともう少しと頑張ると同時に自身のクラブ活動を磨いてください」、といった内容に感じました。

2020-2021年度のテーマは「ロータリーは機会の扉を開く」です。扉を開くは言葉どおり「同じ志を持つものは大歓迎します」です。ただし、これまでのような男女・若者・ベテランなどの思考や慣習の違いが入会の妨げとなることがあってはなりません。ということで、既に承知のように制度上足枷となっていた例会開催条件や職業の分類制限など、最近は緩和を図っています。しからば、どうすればいいのかということで、ローターアクト・衛星クラブ・Eクラブ・パスポートクラブ・法人クラブ・活動分野に基づくクラブ・学友中心のクラブなどの提案をしております。ここでもまた旧来の考えでは、新クラブがどれに該当するか論じたくなるところです。しかしRIが唱えているのは、中核的価値観(奉仕・親睦・多様性・高潔性・リーダーシップ)を備え、少なくとも月2回の例会とRI年会費(ローターアクトは除く)を払い、RIに記録されればクラブ投票権を与えるとしています。

これまでの拘りから離れる覚悟は必要ですが、新しい条件として何をなすべきか明示されています。その上で大切なことは決まりを熟知することではなく、公共イメージを高められるよう各クラブの活動を磨くことです。

ロータリーの補助金は、同じプログラム(事業)は継続して申し込みできません。それは様々な活動をもって対応すべきと考えるからです。しかし、クラブが継続活動をしていけないのではありません。どの事業も始めはチャレンジですから不安を抱えるでしょう。そこで最初に限り資金面の支援をするので挑戦して欲しいのです。継続出来れば大成功です。その継続は、自ら行っても他の組織に委ねても構いません。そもそも、資金を注入し続けなければ遣り繰り出来ない活動は、民間が取り組むテーマではありません。つまり、活動の呼び水役を担うクラブもあれば、価値ある活動を自ら継続するクラブもあるのです。

次に「機会」です。使用する単語はオポチュニティー(Opportunity)です。これは目指したり与えられる機会です。「あなたには大学に入って○○について勉強する機会を与えます」というものです。一般に思い浮かべる機会は「宝くじを当てた」のように偶然に遭遇したチャンス(Chance)です。テーマにオポチュニティーを使用したということは、四つのテスト(真実かどうか、みんなに公平か、好意と友情を深めるか、皆のためになるかどうか)や中核的価値観を見据えたゴールが扉の向こう側にあるということです。

誰を仲間として、どこをどのようにして目指すかが「ロータリーは機会の扉を開く」に込められていると感じました。

2020-2021年度、地区では各クラブ活動をロータリーが掲げる重点分野に重ね、足並みの揃った公共イメージアップが出来るよう努めましょう。今回のCOVID-19により、さまざまな場面でインターネットの活用を求められていますが、こうしたITの活用についても、電話やテレビを利用するような感覚で取り組みたいと計画しております。「新たなことを始めるのではなく、今在る資源を活用しもっと価値あるものへ変貌させる」。RIクナーク会長の思いとともに取り組んでまいります。クラブ会長様はじめ地区チームメンバーの協力を得ながら新たな気づきを生む年として取り組んでまいります。地区ロータリアンの皆様におかれましてもご協力をよろしくお願いいたします。