ガバナーメッセージ

2024-2025年度ガバナー 佐藤 剛

「The Magic of Rotary」ロータリーのマジック

国際ロータリー第2520地区
2024-2025年度ガバナー 佐藤(Sato)(Tsuyoshi)

第2520地区同胞ロータリアンの皆様、2024-2025年度地区ガバナーを拝命しました水沢ロータリークラブの佐藤剛です。一年間どうぞよろしくお願い申し上げます。

我が地区の会員数はコロナ前の2020年7月時点で2,186名でしたが、2023年7月時点では2,041名となりました。コロナ禍が会員減少に拍車を掛けたのは明白です。この四半世紀で全国的にも会員減少は歯止めがかからず、ピークの1996年11月には13万人強存在した日本のロータリアンも2024年4月には82,000人台まで減少しました。

ポストコロナの時代を築いていくにあたり、ゴードン・R・マッキナリー2023-24年度RI会長は「世界に希望を生み出そう」なるテーマを掲げました。2022年2月24日にロシアによるウクライナ侵攻があり、ロシア以外の国々が望むのとは正反対の方向に現状は向かっています。

また、2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃に端を発した紛争は、今ではイスラエルが殆ど一方的に攻める戦争状態となり、5月7日現在で35,000人近いパレスチナの人々が亡くなっています。その半分以上は女性と子供との報道に心が痛みます。この原稿が掲載される頃には状況が改善されていればよいのですが。

さらに、「今年こそ素晴らしい一年になりますように」と祈るように迎えた2024年1月1日には能登を大地震・津波が襲いました。まだ不自由な暮らしを強いられている被災地の方々を思うと東日本大震災当時を思い出し、本当に胸が痛くなり、一日も早い復旧、復興を祈り支援の輪を当地区でも継続しなければと思う日々です。

このように失われる希望を補っていく使命をロータリアンは持ち続けなければ、と昨年のRIテーマは予見し鼓舞していたのだと思います。希望を新たに創り出し続けていく先頭にロータリアンは常に立ち続けようという強いメッセージが込められていたのだと今さらながら思います。

2022年神戸で開催されたロータリー研究会で講演された戦場カメラマンの「いかなる悲惨な場所でも人々が決して希望を失わない姿を私は見て、カメラに収めてきました。」という言葉を聞き、胸が震えました。そうなのです。如何なる困難に遭遇しても人々は決して諦めず、将来、あるいは次世代に希望を繋ごうとする努力を惜しまないのです。

ステファニー・アーチックRI会長はフロリダ州オーランドで開催された国際協議会ステージ上で「The Magic of Rotary」なるテーマを発表しました。荘厳さよりは楽しさが演出された印象を抱きました。そのMagicを飾る言葉として「Irresistible」が多用されました。「抗(あらが)えない魅力」なる訳がロータリーの友に掲載されましたが、その場の雰囲気は「はまっちゃうよ。」的な雰囲気で、今、若者が使う言葉とすれば肯定的意味での「やばい」が相応しい訳と私は現場で感じてきました。

ロータリアン一人ひとりが持つ魔法の杖が、あなたのクラブ会員の意識を変え、それがクラブ全体を変え、携わる地域、地方を変え、国を変え、世界を変えていくというメッセージを受けて、そして、それを世界のロータリアンと分科会で意見を交わし合って体感してくることが出来た、ロータリーライフを変えて下さった、決して忘れる事が出来ない国際協議会でした。

変える、つまり変化の理由も世界の同期ガバナーと語り会いましたが、答えは「進化の為」に落ち着きました。現状でも素敵だけど、進化を念頭に変えられることがあれば、勇気をもって変えていくと、よりよい未来に繋がっていくと思います。「四つのテスト」を念頭に未来に繋がる為の指針があるとすれば、それが行動規範です。

ロータリアンの行動規範は2019年1月119号としてRI理事会にて決定されました。以下をあらためて御一読下さい。

ロータリアンとして、私は以下のように行動する。 個人として、また事業において、高潔さと高い倫理基準を持って行動する。 取引のすべてにおいて公正に努め、相手とその職業に対して尊重の念をもって接する。 自分の職業スキルを生かして、若い人びとを導き、特別なニーズを抱える人びとを助け、地域社会や世界中の人びととの生活の質を高める。 ロータリーやほかのロータリアンの評判を落とすような言動は避ける。 ロータリーの会合、行事、および活動においてハラスメントのない環境を維持することを支援し、ハラスメントの疑いがあれば報告し、ハラスメントを報告した人への報復が起こらないよう確認する。

なかなか味わい深い言葉が列記されており、つい姿勢を正したくなります。魔法の杖をやみくもに振り、人を傷つけるようなことがあっては決してならないのです。杖を振る時、上記の行動規範を思い出すと、共に唱える呪文が「四つのテスト」ではないでしょうか。

杖を振る前に意識していて欲しい事がDEIです。多様性の観点はあるか? 全体主義に陥っていないか? 他者への寛容の心を忘れてはいないだろうか? 等です。

そして私が皆さんにお願いしたいこと、それは「固定観念」「既成概念」への挑戦です。新たに事を起こすときの阻害要因が主に上の二つだと思います。「こうあらねばならない」「こうあるべき」「こうでなければ」「これが教わってきた~だ」「これ以外に考えられない」「呼応しておけば叱られない」。様々な事で一歩踏み出す勇気が損なわれてしまい、旧態依然こそ正義でありスタンダード『標準』であり、逸脱してはいけないと頭の何処かにR(バックギア)のギアがあり、ついR(後ろ向き)のギアに入れてしまってはいませんか?

そうなっては魔法の杖は消えてしまうかもしれません。またワクワクするような「はまっちゃいそうな事」も消滅するのです。杖を振る事に制限を設けるのも疑問です。どうぞ今まで思いもつかなかった事をイメージして杖を振ってみましょう。恐れる事はありません。勇気を出して踏み出して、杖を振り出してみましょう。少しの変化が大きなうねりとなって世の中を変えていく事を信じて。バタフライエフェクトの最初の羽ばたきを躊躇してはいけません。きっと貴方なら出来ます。そして貴方とは、地区内2,000人強の全てのロータリアンの皆さんです。

ロータリアンとして、すべきことはたくさんあります。その沢山にどんな事があるかは是非My Rotaryを御覧下さい。そしてラーニングセンターも御利用下さい。ここに書き切れない程の情報量を目の当たりにした貴方の手には自然に魔法の杖が備わっていることでしょう。

最後にお願いをふたつ。ひとつは、是非メークアップをしてみて下さい。新しいロータリーの姿が見えてくることでしょう。もうひとつは、ロータリー財団寄付のお願いです。東日本大震災から13年。あの時世話になった御恩を世界中の困難を抱えた方々に返す為に必要なのです。

ある方に教わった言葉です。「寄付はお金のある人がするのではなく気持ちのある人がするのです。」

地区内の同胞ロータリアンの皆々様、どうぞ一年間よろしくお願い申し上げます。